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第27章 高麗の夜明け

　使節団の長である正使自身がフィメリアを差し出すようにとの皇帝の意向を口にしたのは紛れもない事実だというのに、正使はあるときから夏陽の姫の話題については一切触れなくなった。あれほど強硬に姫を渡せと迫っていたのが嘘のように知らん顔を通し、さっさと帰国してしまったというのだ。






　何がどうなっているのか。花羅ではないけれど、フィメリア自身にも皆目見当がつかなかった。