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第4章 逃亡

　即位したばかりの若い王は当然、その在処を知るはずもない。何しろ、謀反によって玉座についた王なのだ。順当に王位継承がなされれば、この王位は甥である今の国王ではなく、前王太子に渡るはずであった。秘密の抜け穴は国王が代替わりした際、前国王から新国王へと口伝で伝えられる。つまり、新国王がその抜け穴の場所を知る機会は今や永遠に失われてしまった。