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第5章 優しい日々

「僕は最近、おかしいんだ。多分、こんな女のなりをしているから、心まで弱く女々しくなってしまったんだよ。以前は、こんなに泣いてばかりじゃなかったんだ」






　確かに、ジュチが知る限り、王太子であった賢が泣いたのは後にも先にも十六歳で初潮を迎えたときだけだった。両性具有であるという事実を知らされたときでさえ、賢は気丈にその事実を受け容れようと努力していた。