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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第5章 優しい日々
 ジュチは釣り糸を垂れたまま、川面を眺めている。六月の陽光が水面に乱反射して、キラキラとよく磨き込まれた鏡のように煌めいている。時折、透明な水底を銀色の小さな魚がよぎるのが見えた。







 二人を取り囲むように木春菊が一面に群れ咲いていた。白い可憐な花たちが初夏の風に音もなくそよいでいる。
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