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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第5章 優しい日々
ジュチの眼に光るものが溢れた。
「いえ、それで十分です」
「僕の方こそ、何もできないのはジュチもよく知ってるだろう? 林檎一つ満足に剥けないほど不器用だ。それに、ジュチの側にはずっといたいけど、僕の心は相変わらず〝男〟のままなんだ。身体の方は今でさえ殆ど女体化してしまっているから、もう男になることはないだろう。それでも、今更、女になれと言われても、僕には難しいと思う。もしかしたら、ジュチは同じ男と結婚したようなものかもしれない。それでも、良いの?」
「いえ、それで十分です」
「僕の方こそ、何もできないのはジュチもよく知ってるだろう? 林檎一つ満足に剥けないほど不器用だ。それに、ジュチの側にはずっといたいけど、僕の心は相変わらず〝男〟のままなんだ。身体の方は今でさえ殆ど女体化してしまっているから、もう男になることはないだろう。それでも、今更、女になれと言われても、僕には難しいと思う。もしかしたら、ジュチは同じ男と結婚したようなものかもしれない。それでも、良いの?」