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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
 懸命に言っても、王は聞く耳を持たない。



「そなたが女か男かは王宮に帰ってから、俺自身がじっくりと調べてやる」


「僕はいやなんだ! 行きたくない」




 賢は周囲を見回した。誰か人影がないかと思うが、普段から人気などありはしない場所だ。それに、仮に通りがかりの村人がいたとしても、恐らく見て見ぬふりをされるのが関の山だろう。今の自分は誰が見ても、女好きの貴族に見初められた哀れな田舎娘そのものに違いない。
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