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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第7章 対決
ゆえに、後宮入りした女たちは皆、一様に王の眼に止まることを切望する。運良くお手が付いて御子を身籠もることができれば、晴れて側室となれる。万が一に王子を生めば、未来の国王の生母になることもあり得るのだ。
王の想い者になり御子を産むのは、後宮に仕える女官にとっては垂涎の玉の輿だ。殊に即位後まもない今の王は若く凛々しい。そのため、歳のいった尚宮たちはともかく、後宮の若い女官たちは皆、化粧に工夫を凝らし美しく装うことに余念がない。