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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第7章 対決

その日は朝から天も佳き日をことほぐかのように高麗の空は澄み渡っていた。七月終わりのこととて、暑さはいやになるほど厳しいものではあったが、国を挙げての一大行事である嘉礼(カレ)は厳粛な中にも盛大に行われた。
冕冠(べんかん)を被り、婚礼の盛装に威儀を正した国王は十八歳。若々しさの中に早くも一国を統べる王者としての風格が漲り、その凛々しく端正な面立ちが際立っている。身動きする度に冠から垂れた玉や硝子がしゃらしゃらと涼やかな音を立てた。
冕冠(べんかん)を被り、婚礼の盛装に威儀を正した国王は十八歳。若々しさの中に早くも一国を統べる王者としての風格が漲り、その凛々しく端正な面立ちが際立っている。身動きする度に冠から垂れた玉や硝子がしゃらしゃらと涼やかな音を立てた。

