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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第10章 愛縁
「お通してしても、よろしうございますか?」


「むろんだ、すぐ通してくれ」


 王は慌てて龍袍の襟元を直し、乱れてもいない髪を手のひらで撫でつけた。


「爺、どこかおかしくはないか?」


「いいえ、いつもながら、ご立派なお姿です」




 内官長がにこやかに言うのに、王は祖父が孫に甘えるように頬を膨らませた。
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