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さらに近くてもっと甘い
第6章 副社長様、発情中


襲ったなら、きっとキスもしたに違いない。



「うつってない?」


「だ、大丈夫ですっ…」



手を伸ばして加奈子の額に手を当てる。


顔は火照っているように見えるが、熱はないことを確認して、要はホッと息を吐いた。



「ごめん……。まさか無意識にそんなことをするなんて……」


「いえっ……」


「傷付けてないといいけど……」


「そんなっ……」




確かに、あの時の副社長は少し強引だったけど…

やっぱりいつも通り優しかったことに変わりはなくて…


そんなことを考えている加奈子を不安げに要は見つめる。



「僕に何をされた?」


「えっ……」


「ひどいこと、したんじゃないかなって……本当にごめん」


「ひどいことは……されてないですっ……」



「本当に?何か訳のわからないことを言ってないといいんだけど」



「そ、そんなこと────」




────────もっと……君を鳴かせたい



「っ…………」



甘く、そして意地悪に囁かれたことを思い出して、加奈子の顔がさらにボッと火照る。
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