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第8章 ドジっ子同盟とお引っ越し

夏の有川商事。



「すみませんっ……」



加奈子はいつも通り、上司に頭を下げている。



「田部さん、２年目なんだしもう少ししっかりしてくれ！」



上司の尤もな言葉に加奈子はギュッと口を引き結んだ。



ドジな加奈子なりに成長は見せている。


でもやはり周りと比べるとまだまだ…


毎日同じように怒られても、へこたれないのが加奈子の良さであり、上司もそこは買っているのだが……




「今日来る新人は田部さんに任せるからね」



「えっ……」



何で怒られてるのにそんなことを頼まれるのだろう…



訳が分からず露骨に驚く加奈子に上司がはぁ……とため息を吐く。



「下がいればもう少し気が引き締まるだろ」



「えっ…あっ……でも、私なんかがっ……」


焦り倒してどもる加奈子に、上司はキッ！と強い視線を向けた。