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さらに近くてもっと甘い
第8章 ドジっ子同盟とお引っ越し



「サンキュ」



胸元のシャツをパタパタとさせながら、浩平はそれを掴む。


ニコリと微笑んだ愛花は、一息つこうとベッドの方へ向かって、そこに腰掛けた。




「浩平くんも、ここ座る?」



「えっ……」




トントンと、自分の隣を叩く愛花に、浩平はドキリと胸が鳴る。



いや…それはまずくないかっ……



ぐるぐると頭が回って顔が熱くなる。




愛花と付き合い初めたのは、去年の秋の文化祭から。つまりもう10ヶ月ほど経っているわけであるが、二人はまだキス止まり。



前、親が呼べとうるさかったので、家に来ないかと誘った時の、あの警戒しまくっていた愛花の態度が浩平は忘れられない。



そもそも、浩平も経験がないからイマイチ踏み出せないというものある。




「いやっ…暑いしっ……汗やばいから、とりあえずここでいい」



そう答えて、浩平は愛花に背を向けた。





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