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サイドストーリー8
第20章 朝凪×蛍②
去年まで兄貴と過ごしたクリスマスを由布子さんがひとりで過ごすにはあまりに酷で
俺はクリスマスディナーを予約する。
兄貴のいなくなった由布子さんの隣の席にこっそり座ろうとしていた。

俺のそんなこざかしい策を見透かしているのか、俺の誘いを笑って断る。
「信くん、私の事は気にしないで。
可愛い女の子と楽しんでいらっしゃいよ」

だからさ!
俺にとっての可愛い女の子は由布子さんなんだよ!

兄貴がいた時に、絶対に口から出せなかった言葉は今も出せない。

由布子さんにとって1番は兄貴で
兄貴しか愛してなくて
それは永遠に続くかのように思われる。

兄貴はずるいなぁ。
いつまでも由布子さんの心を握って離さないんだな。

俺はいつまで待てばいいんだろう。
俺はいつまで貴女を想っていればいいんだろう。
俺はいつまで・・・貴女を愛せばいいんだろう。

愛しても、愛しても愛しても・・・
報われない恋ならば。

いくら愛しても、貴女が振り向いてくれないのならば
いっそ諦めるのも・・・愛なのか―――


俺は最後の賭けに出る。



END****

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