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【R-34】
第4章 美しい妻
オフィスラブの長編小説を書いたのを機に、官能シーンにも手を出した。


自身のその快楽を真奈なりに表現した。

が……それがいけなかった。



それが出版社の目に止まり、戸惑っている間に話しはどんどんと勝手に進んでいき、気付けば官能小説家としてデビューを果たしていた。


その事を圭吾には全て黙っていた。

言えば彼がその小説を読むのは目に見えている。



自分の脳内を視姦されているような……そんな感覚。


デビューしてからの暫くは、ストーリーを変えながら圭吾とのセックスのその快楽を文字に起こす。

問題無く、創作欲も満たされていた。



しかし、担当編集者が代わってある提案をされる。

『純愛からはそろそろ卒業しませんか?揚羽先生なら、その筆力も十分にありますよ。SMとか調教とか御主人様とか新たな路線を開拓してみましょう!』



興味が無かったと言えば嘘になる。


圭吾に強引に犯されてみたい……。



そんな欲求が浮かんでは無理矢理沈めていた。 


彼……からの調教……。



想像しただけで、頬が上気する。

ただ、問題もあった。



玩具を使ったこともなければ永遠的に続く責めも経験がない。



まだどちらか一つでも味わったことがあれば書けるのだが、想像で書くには真奈には手持ちの材料が無さすぎた。
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