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【R-34】
第3章 誠実な夫
「お帰りなさい」

今日も待ちわびたように玄関まで妻が迎えに来る。



妻の、自分に対する愛を今日も感じながら、男は彼女に微笑み掛ける。



「ただいま。何だか、良い匂いだね。今晩は何?」

「ビーフストロガノフ。美味しそうな牛肉があったから……」


彼女が甲斐甲斐しく男から鞄を受けとる。


「先にお風呂にしますか?お湯張ってますけど」

「ああ、そうだね。今日は蒸し暑かったから」


浮島圭吾はネクタイを緩めながら脱衣室へと向かう。




今日も妻は美しい。

子どもを諦めてから、夫婦の営みの回数は少しずつ緩やかに減っていた。



行為をすることで彼女が傷付いてしまうのが彼には怖かった。


自身の体も付き合い始めた当時から比べると老いも感じ始めている。



彼女を満足させているのかと、不安感も否めなかった。
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