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キミの体温 ボクの吐息
第6章 離
「ごめん。夢中になりすぎた」

自分のセーブの効かないふるまいに、空気を変えるために息をはきだす。

忘れないうちに、と
深紅のバラの花束を手渡した。

「綺麗・・・」

その言葉を聞けただけで俺は嬉しくなる。

「大阪で新幹線に乗る前に買ったんだけど。時間に間に合わないと思って走ったんだ。
花が傷ついていなくて良かったよ」
「ありがとう。嬉しい。
大阪にいても、私の事を思い出してくれていたのね」

「ねぇ、洋子」
「なに?」

急に名前を呼んだ事に白石はビックリして顔を赤らめた。

「毎日毎日キミの事を考えていたよ」
「え・・・」

「そのバラ。6本なんだ」
「ん」

「シンデレラエクスプレスで別れてから今日まで。
6日間、1日も洋子の事を考えない日はなかった」
「ありが、と」

「その気持ちを1日1本のバラに託して6本なんだ」
「え・・!」

「6日間離れていて寂しかったよ。
その真っ赤なバラは1本1本が俺の洋子への離れている日数分の愛だよ」

洋子はそれを聞いてバラを見つめて。
そして俺の胸に飛び込んできた。

「だから・・・こんな扱いは、慣れてないのよ」
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