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快楽の果てにあるもの
第10章 束の間の時は

『何だこのメールは!』

リビングから聞こえる怒鳴り声。

それは私の旦那の声だった。
急いでリビングに向かうと、
そこには携帯を持って
怒りを露にしている旦那が…。
身体から血の気が引いた。
まさか、
心臓の音が外にまで聞こえるかのように脈打つ。

『どういう事だ、このメール。』

「なに?なんのメール?」

『今度の土曜日は早めにでるか?ってなんの事だ?!』

「返して、私の携帯。」

『どういう事か話さないのか?話せない内容か!』

「返して見せて、ちゃんと話すから。」

もうどうにもならなかった。
旦那は何を話しても信じる人ではない。
ごまかしも効かない。
私は覚悟を決めた。

「あのね、実は…。」
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