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第1章 悲しい出来事と新しい生活

「ここ数十年、まともな雨が降っていない。
　だから私達は神様に生贄を捧げている」

「いけ、にえ？」

そんなこと初めて知った。話を聞いていると
18歳になった男女が生贄に選ばれている
らしい。僕は察した。

「僕がその生贄に選ばれたのですね」

「・・そうなんだ」

全く嫌ではなかった。もう家族はこの世
にいないのだから。