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愛しい記憶
第8章 記憶



コップに水を入れて、ジッと見つめる。



気付いたら飲まず食わずでさすがに体力も限界に近い。


フラつく身体を支えるように流しに手をやると、俺はコップの中の水を一気に飲み干した。



「……何か食べたら?」



「うーん……」



スッと近付いてきたマミの顔を覗き込んで唇を塞ぐ。



「……じゃあマミにする」


「何言ってんの……」



照れているのか、ギュッと身体を寄せられて、俺はマミの頭を撫でた。



そして、目に入ったカップラーメンを片手で掴む。



いつ買ったんだろうか。


もしかしたら…楓が買ってきたものかもしれない。




「お湯、沸かすわ」



「うん…」




身体を離して、やかんを手に取る。




蓋を開けて水を入れると、ドクンと心臓が鳴って胸を抑えた。


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