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この前、人を拾いました
第8章 ①―7 キモチ


きゃああああとみんなが騒ぐ声が頭に響く。






「かえるぞ!ハハハハハ、ベロベロのベロベロだな!」




気付くと、朦朧としている私のことをお姫様だっこしていた。





「君たち、また会おう!ハハハハハハ」




群がる女の子たちにそういって、レイはお店を出た。




ぼぅっとしてレイの顔が幾重にも見える。



本当に、キレイな顔だ……




私は何故か、その腕の中にいることを心地いいと思った。



そういえば、


レイ、さっき



『みき』って……






名前を呼んでくれたことに対する嬉しい気持ちと、


こうやって私を抱きかかえていることは、レイには別に特別な事でもなんでもないのだということを悲しむ気持ちが相まって自然と涙がこぼれ落ちた。





「お、なんだ?泣き上戸なのか??ハハハハハハハハ」





いつまでも呑気なレイ。


本当


何考えてんだか分かんなくていやだ。





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