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飴色トライアングル【完結】
第10章 私に愛のあるセックスを教えて
グスッ─
「ご、めんなさい…私」
「美緒!…」ギュッ!

涙を流し動揺する私を見てヒデはその訳を理解したようだった。
私を優しく抱きしめてくれた。

「ご、めん、なさぃ、ごめっ、なさい」

「─美緒ごめん、嫌なこと思い出しちゃったな…」
やっぱり私には無理だ!
ヒック、ヒック

「美緒!もうやめよ」
ヒデは悲しそうな顔で私に謝ってくる。

自分を責めてるの?
私がこうなったのは自分のせいだって!

ごめんなさい

私がバカなお願いをしたから─

このままだったら
ヒデも私に罪悪感を抱いたままになる?


ヒデのせいじゃないのに、それだけはダメ

やっぱり克服しなきゃ
「ヒック、ヒデ…ごめんね、私、大丈夫─だから」

「美緒、でも!」
ブンブン、ダメ!

「大丈夫だから…やめないで」

「美緒…」
お願い。
ほんとにもう大丈夫だから…

強情な私に…ヒデは呆れたのかな?

ベッドを下りてしまった。
〝ぁ、ヒデ…?〟
怒らせちゃった。

私はヒデを目で追いながら話し掛ける事も出来ないでいた。

ヒデがオーディオの前に屈んでスイッチを入れる。
ブチッ─♪.:*;*"♪
なに?
ステレオからクラシックな音楽が流れてきた。
ボリュームを調整してサイドボードの引出しを開けてゴソゴソしてる。

もう完全に呆れたよね。
急に引出しの整理って…
さっきまでのいい雰囲気をぶち壊してたのは私だもの

仕方ないけど。

もう帰ろう!
ベッドから身体を起こし服の乱れを直そうとした。

「あ、あった」
「…!?」
ヒデが小さな小瓶を開け加湿器に数滴を垂らしスイッチを入れた。

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