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飴色トライアングル【完結】
第15章 嬉しさと不安と…
◇◇◇

「美緒、もう行くよ」あ、うん。
もう帰る時間だね。

見送りのため家を出ると
やっぱり寂しさが込み上げる。

話したい事はたくさんあるのに言葉が出てこない。

どうしよ何か話さなきゃ

「ヒデ「美緒」──
意を決して名前を呼ぶとヒデの声と重なった。

─な、に?

〝いや、美緒が先に…〟ぅ、うん!
えっと…なにを言おう。
「仕事…頑張ってね…」違う!
バカ私ったら!
そんな事を言いたいんじゃないのに…

「…美緒も頑張れよ」あ、うん。

せっかく勇気を出したのに話が続かない。

「美緒…もうそこでいいから」え?
顔を上げると曲がり角は目の前
もうここまで来ちゃったんだ。

本当はフェリーが出るギリギリまで一緒に居たいけどヒデが途中までにしてって。
〝美緒が泣くと辛いからさ〟

もうここでお別れ
「……ヒデ、あの」
「俺!待ってるから…絶対帰って来いよ」

うん。
私もヒデにちゃんと言わなきゃ

「帰る、絶対帰るから…待っててよ」
じゃなきゃ、恨むから。

フッ「当たり前だろ」

ボッボォォォー!
その時フェリーの汽笛が鳴り響いた。
入港の合図だ。

「行かなきゃ」うん。
ヒデの手が私からゆっくり離れてく…

これが最後かもって思ったら我慢出来なくなった。
「…ヒデ」待って!
ドスッ、…我慢出来ずにヒデの胸に飛び込んだ。
自分から唇を押し付けお別れのキス。

「ヒデ…大好き」グスン
「俺もだよ」
やっぱり涙は溢れてくる。

「ほら、泣くな」コクコク……

ボッボォォォー
急かすような汽笛の音

「美緒…行くよ」コクン
ヒデ、またね。

…絶対、待っててよ!

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