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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第9章 あの時-千弥の封じた過去

私を犯した九鬼は、満足そうに部屋から出て行く。そう入る時に見た電子ロックをしっかりと作動させて、内側からでは開けられない仕組み。

「……………………」

あまりのことに頭が回らない、これはなに? 夢?
動かない身体で見えたものは1つだけ、シーツに染み付いた破瓜の赤い血。
こうして私は強姦によって、無理矢理処女を失った。
それと同時に、今までの生活を全て失ったことに気づくのは、私が処女消失のショックから少しだけ抜け出した頃まで時間が経過する。



「飯だ食え!」
「…………」

この部屋に監禁されて、何日が経ったのだろう?
私は首に首輪を付けられ、裸体のまま部屋で過ごしている。
食事は九鬼が、あの扉を開けて持って来て、私は一切この部屋から出られない。

「食えと言ってんだ!」
「……っ!!」

また『パンッ!』と頬を打たれた、これでもう何度目だろう。打たれるのが嫌で、私はトレイの上にあるサンドイッチに手を伸ばす。

「死なない程度には栄養管理をしてやってんだ、この俺がだ。分かっているのか千弥っ!」
「…………はい」

ここ数日で教え込まれた、九鬼の言葉に相打ちをうつこと。逆らう言葉では無く、服従の言葉だけ口にすること。

「そうだ、素直にしていたら大学から帰った後に可愛がってやるよ」
「…………はい」
「はいだけか? 気に入らねぇな」
「違い……ます」
「違わねぇだろうがっ!」
「クッ、ウゥゥ」

鍵付きの首輪を引っ張られ、私は苦しさにうめき声を上げてしまう。それが九鬼を更に煽ると気づきながら。

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