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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第13章 ルーキーの反抗-陸

「それ、僕にうんって言わせたいだけとも……」
「くすくす……バレた?
だけど俺は本気だよ。陸が来れば叶うかも知れない夢の1つ、可能性は無限に広がるから、違った形かも?」
「ハッキリと、陸さんおいでって言えばいいのに、蓮さんも照れ屋さんだよね」
「……照れ屋……」
「ぁははは……蓮に向かってそれを言えるのは千弥だけだよ」

千弥以外にそんなことを言えるのは居ない、そして蓮の仕事に回ってから千弥はまた明るくなった。九鬼から解放されたせいか、あの会社から解放されたせいか僕にも分からないけど、確実に変わったのだけは確か。

「……僕も蓮と一緒がいいかな。いや、千弥と蓮と一緒がいいんだ」
「初めからそう言えばいいんだよ陸」
「これでみんな一緒だね」

八重だから……。
僕たちは重なれば重なるほど強くなれる、蓮が言うことだって、三人揃えば現実になるかもしれない。
……僕はそう思いたい。

「そうと決まれば、まずは陸の退職と再就職のお祝いかな? 丁度よく最高のステーキがあるからね」
「数時間前に退職でもう再就職!? ちょ、本当に少しは遊ばせてよ」
「また一緒にね、陸さん?」
「そんなぁ……」

口では言うけど、本当は嬉しいんだよ僕。あ、ステーキも嬉しいな、蓮がこんなことを言う時は、本当に極上ステーキが出て来る日なんだよ。
ルンルン気分でキッチンへ行き、ワイン付きでステーキを楽しむ。やっぱり会社を辞めてよかったと実感出来るよね、二人が居るから。

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