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一秒に見えた世界
第14章 俺が一番
日曜日だからお昼を過ぎていてもハンバーガー屋さんはまだかなりのお客さんが居て空がハンバーガー屋さんの注文カウンターで忙しそうに応対をしていた。

私はそのお客さんの列に並んでから自分の注文の番が来て空に

『アップルパイとコーラ、コーラのサイズはMでお願いします。後はホットコーヒーを一つ。』

と言って私と優誠の分の注文をする。空は私と優誠が一緒に居るのに気づいて

『お持ち帰りですか?店内でお召し上がりになりますか?』

と聞いて来る。私が

『空、待ってる。』

と答えると空は

『店内でお召し上がりですね。すぐにご用意致します。』

と言って私に笑顔だった。

3時まで空のバイトが終わるのを優誠と2人で待った。3時5分には私服に着替えた空が待っていた私達の席にバタバタとやって来た。空は

『今日のところは大体の状況はわかったから何も聞かないけれど明日は里美と一緒にたっぷりと話しを聞くからね。』

とニヤニヤとして私に言う。

なんの事?

と私は考える。優誠は知らん顔をしていた。だけど空はやっぱり笑いながら

『美奈のその首筋を見たら何があったのか普通はわかるよ。』

とか言い出す。

うげっ!?

私は慌ててバッグからコンパクトを出して確認をしてみた。優誠が私に付けたマーキングがくっきりと私の首筋に浮き出ている。

私が優誠を睨みつけると優誠はしれっと空に

『送って行くよ。』

と言って空を空の家まで送ってくれた。空が車から降りてからは私は不機嫌にぷうっと頬を膨らす。優誠は

『だから美奈が俺の女ってわかり易くなっただろ?』

とか平気で言っていた。その後は優誠は私をわざと中華街や異人館などの観光スポットで人が多い場所へと私を連れて行った。

くぅぅぅっ…、普通なら優誠とデートだって喜びたいのに首筋が気になって喜べない私。ただ優誠だけがずっとご機嫌だ。

私はずっと落ち着かない気分のままなのに夕食の時に優誠が突然

『次の木曜日の夜は何してる?』

と私に聞いて来た。

木曜日…、9月の20日は私の誕生日。

私はそれを思い出し

『里美と空とご飯を食べて多分呑みにも行っていると思う。』

と元気に答えた。
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