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第19章 だって…忙しいんだもん

次の日の土曜日は空と同じクラスの由良と彩華と一緒に私は買い出しに出掛けた。彩華はいいけれど私はこの由良が苦手だった。

『美奈に彼氏とかウケる。適当女だから相手はやっぱり適当男？』

とかそういう事を平気で私に言って来る。私は適当に聞き流すけれど負けず嫌いの空は

『完璧主義の男。しかも超一流の人。由良なんか絶対に相手にはされないよ。』

と言って勝手に私の代わりに由良にやり返す。

高校の時の事だ。当時の由良の彼氏が私の知らないところで私を可愛いとか言ったせいで私は突然由良から嫌がらせを受けるようになった。

私はやっぱり適当に由良の嫌がらせをかわしていたけれど私の保護者をずっとしている空はそんな由良に対してはかなり厳しい態度だった。

今の私にはそんな昔話しはもうどうでもいい事だからさっさと買い出しを終わらせて優誠に迎えに来て貰う事しか考えていなかった。だけど私達が思っていたよりも買い物の荷物は凄い量になってしまった。

由良が

『これじゃ運べないからタクシーでも使う？』

と聞いて来た。私と空が答える前に彩華が

『４人だからタクシーにも乗れないよ？』

と答えた。だから私はいつものように私の後ろについて来ていた結城さんに声をかけた。私にストーカーのようについて来ている人がいるのを初めて知った由良と彩華は信じられないって顔をした。

私は由良と彩華は適当に無視をして結城さんに

『学校までこの荷物が運べないの。』

と言った。結城さんは私の話しを聞いてから

『しばらくお待ち下さい。』

と言うと携帯でどこかに連絡をした。私達は20分くらい待たされた。イライラとした由良が

『いつまで待つの？適当な思い付きならいい加減にしてよ。私は夕方から彼氏と待ち合わせなんだよ。』

と私に言って来た。でも私が由良に説明をする前に結城さんが待つ場所に佐伯さんが運転するレクサスと優誠のベンツがすぐにやって来た。

優誠が車から降りて来て

『学校までその荷物を運べばいいのか？』

と私に聞いて来る。私は普通に

『運んだら今日の用事は終わりなの。だから空とご飯を食べたい。』

と優誠に言う。優誠は私に優しい顔をして、わかったとだけ言うと佐伯さんと結城さんに私達の荷物を車に積ませていた。