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第7章 優しくだけ出来ないの？

完全にぐったりとしていた私に優誠は優しかった。ずっとソファーで膝枕をしてくれて私の髪を撫でてくれていた。優誠が

『夕食はどうするんだ？お前がきついのならどっかに食いに行くか？』

と私に聞いて来た。

『あー！？やだ。私が作る。この辺ってスーパーとかあるの？』

と言って私は慌てて飛び起きた。時間はもう夕方の５時だった。優誠が

『スーパーはあるけど車になるから行くぞ。』

と言った。私は優誠の腕に絡み付くようにして部屋を出た。私が優誠にちゃんとついて行くと意思表示をすると優誠は絶対に機嫌がいい。

優誠が私を連れて行ってくれたスーパーはとんでもないスーパーだ。

『ここって！？』

関西でも超有名な高級スーパーだった。レジ袋は黒と白の紙袋でその紙袋を持ち歩くだけでセレブとかステイタスとか言われているスーパー。

お店の中に入ると野菜もお肉も普通のスーパーの３倍から５倍のお値段が当たり前。

ポテトチップスが１袋1000円ってどんだけ！？

とか私は思ってしまう。だけど優誠は顔色１つ変えずに

『うちに一番近いスーパーはここだけだ。さっさと買い物しろよ。』

と言ってまたしてもせっかちモードに突入する。私は半分やけくそ気味にカゴに必要な物を入れて行く。何もない優誠の部屋だから、調味料とかも１式は必要だ。

レジでどんどん値段が上がって行く。軽く一万円を越えた瞬間、お店の人がやって来て普通なら自分達で袋詰めしないといけないのにお店の人がやってくれた。

しかも、優誠が真っ黒なクレジットカードを出した途端にお店の人が

『会員証をお作りしますね。』

と言い、このスーパーの会員証まで勝手に作ってくれた。一般庶民の私にはこのセレブ的な感覚にまだついていけない自分が理解が出来た。

優誠の家に戻ると私はとにかく夕食の仕度に取り掛かった。自分で作るのはかなり久しぶりだから、ちょっと緊張をしたけれど30分くらいで無事に大体の下ごしらえは出来た。

『何時くらいにご飯にする？』

って私が優誠に聞いたら

『腹が減ったから早く。』

って言われて私は慌ててご飯を炊いた。