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第10章 他の人は絶対にやだ

パパは少し悲しそうな表情に変わり私にのんびりと

『彼氏が出来たって聞いたよ？僕はそれだけでも充分に美奈が心配なんだけど？』

と言って来た。確かにそうかもしれない。ママが言っていたけど私を小学校から短大までエスカレーターなお嬢様学校に入れたのはパパの強い希望だ。

しかも今の私には毎月パパから５万のおこずかいが振り込まれている。ママと離婚をする時に養育費も何もいらないって言ったママとのパパの唯一の条件が私のおこずかいだった。

だから今までの私はバイトをするとか考えた事がなかった。パパは離れていても私には過保護なパパだったからだ。

だから私はパパとテーブルに座って私なりに真面目に話しをした。

『御剣 優誠さん。剣菱建設の社長さんなの。今の私はそこの会社でバイトをさせて貰っているし私が望めば短大卒業の後はそこに就職させてくれるんだよ。』

そんな感じで説明はしたけれども、さすがにパパには永久就職の話しは私はしずらかった。パパは

『本当にそうかな？それだけの大きな会社ならバイトのお遊びはともかく正社員としての真面目な就職はそんな簡単にはいかないはずだよ？』

と少し厳しい顔で言って来た。優しいけどパパは言わなければならない事はしっかりと私に言うパパだ。

『優誠は私に対して真面目に考えてくれているよ。いつも優誠が私より正しいよ。』

だから私は私になりに必死だった。パパは少し微妙な笑顔で

『僕は美奈を信じるよ。でも本当にその人が美奈の事を真面目に考えているのなら、一度、僕とママはその優誠さんに会う必要があるんだよ。』

そう言った。私がわかったとだけ答えたらパパは新幹線の時間だからと言って九州に帰って行った。

私はまた１人になった。会社では私はただのバイトだから優誠と個人的な話しとかは出来ない。次の週末に優誠と話ししなきゃと私は思っていたけど今はお腹が痛くて眠ってしまった。

次の日からはまた結城さんが私をお迎えに来るという毎日だ。優誠は相変わらずお昼ご飯は10分とか15分しかいなかったけれど私と出来るだけ一緒に食べてくれた。

ゴルフの方はずっと女性コーチが私に親切に教えてくれた。私のボールは前の倍は飛ぶようになってはいたけれど今度は右とか左に飛ばす為のコントロールを教えて貰う約束だった。