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一秒に見えた世界
第10章 他の人は絶対にやだ
優誠の場合、怖いけれど私がちゃんと言わなければ後でもっと怖い思いをさせられるのだと私はもうわかっている。私はおずおずと

『あのね、先週パパと会ってね。パパは優誠が真面目に私と付き合っているのか確認をしたいから優誠に会わせろって言うんだ。』

とちゃんと優誠に説明をした。私はドキドキとしたけれど優誠はあっさりと

『こっちに予定合わせてくれるのなら構わん。』

と私に言ってくれた。やっぱり私には真面目に考えてくれている優誠なんだと私は少し嬉しくなって来る。そんな優誠ならパパとママにも私との付き合いを納得させる事は容易いはずだ。だけど…

優誠の方に予定を合わせるとなるとパパはともかく問題はママか…。

優誠は忙しい人だ。だけど、それはママも負けてないからなぁ…。

私がそう考えていたらせっかちな優誠は

『来週の土曜日の夜にでも、そっちへ結城に迎えに行かせるから親御さんを連れて来い。会う場所も全部こっちで用意するし必要ならお前の親父さんの新幹線の手配とホテルの用意もこっちでしてやる。』

と話しを先に進めて言って来る。私が慌てて

『じゃあ今からパパに電話していい?』

って聞いたら優誠から私の携帯が渡された。優誠の前でパパに電話をするってちょっと緊張をしちゃう。

パパはすぐに私の電話に出た。

『美奈?どうした?』

私に心配そうにして聞いて来るパパだから私はパパに優誠が言った事をそのまま伝えた。話しを理解してくれたパパはのんびりと

『来週の土曜日の夜だね?新幹線とかはパパが自分で手配するから大丈夫だよ。御剣さんにはありがとうとだけ美奈から伝えてね。ママには僕から話すよ。』

と言ってパパは電話を切っていた。

生まれて初めてパパに大人として話しが出来たような気がして私は少し興奮をした。

優誠が居るから…、優誠が私にはちゃんとしてくれるから私はちゃんとパパ達に優誠との付き合いを胸が張れるんだと思った。
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