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一秒に見えた世界
第11章 本気です
そうやって優誠は気まぐれに私が行きたいと言った場所にはどこにでも連れて行ってくれる。ランチのデザートを食べなから

『もうすぐ学校が始まるから靴を買わないと…。』

と私が迂闊に言うと私は優誠にベンツに押し込まれて一気に山から降りて駅前の百貨店へと連れて行かれてしまうのだ。

『10足くらいは買っておけ。』

と平気で言ってしまう優誠が百貨店の店員さんに勝手に指示を出してしまうから私のサイズの靴が私の前にズラリと並ぶ事になっちゃうの。

ダメだこりゃ…

ちょっと軽い気分デートのつもりがずっしりと重い愛情のデートに変化する。

夕方前には今夜のお夕飯の為のお買い物。またしても高級スーパーでのお買い物だ。

1日、出掛けて優誠の部屋に帰る頃にはちょっと私はバテている。適当に生きて来た私はス基本的にタミナというものがない…。

『しんどいのなら晩飯は外でいいぞ。』

と優誠は簡単に言うけどそれだけは私はいやだ。

だから意地でも夕飯は私が作ると言ってしまう。優誠はちょっとだけ不機嫌になって

『好きにしろ。』

って言った。でもご飯を作る間に優誠がお風呂に入ってお風呂上がりにちゃんとご飯が出来てたらまたご機嫌の優誠さん。

今日はハモの梅肉添え、インゲンの胡麻和え、肉じゃがという感じだった。優誠は機嫌良くバドワイザーを呑みながらご飯を食べる。

ビール呑みながらよくご飯が入るなぁ…。

と思って私は優誠を見てしまう。でも優誠はそんな事は気にしないで

『お代わり。』

と言って私にお茶碗を渡して来る。本当は私は汁物も欲しかったけれど優誠は汁物はあまり好きじゃないらしい。レストランでもコースで出されたスープとかには優誠は絶対に手を出さない。

最近やっとそんな優誠の好みがわかって来たから私は少し嬉しくなって来る。だけどご飯が終わると絶対に優誠が後片付けを始めて私にはお風呂に行けと言う。

それは私はいやな事なんだけれど優誠は

『実家にいた時は俺が洗い物の当番だったんだよ。そんな事よりも時間がかかって2人で居れる時間が無くなる方が俺はいやなんだ。』

とせっかちを私に言う。だから私は諦めてお風呂を済ませる。後はまた優誠とベッドだ。週末はいつもそうやってずっと2人の世界で居れた。
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