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第2章 会社で……

自慰をして、寝て、起きるといつもと同じ朝が来る。
ぼさぼさの髪の毛を整えて、軽くメイクをして、適当に朝食をとって出勤する。
入社して３年目にもなると、なんとなく仕事の流れは覚えてしまう。
かといって何でも出来るわけでもなく、テキトーに、それとなくやり過ごす1日が今日も始まった。


「おはようございまーす」

気の抜けた挨拶をしながら愛は席に着いた。
定時より１５分前、オフィスに人はまばらだった。

パソコンの電源をつけながら、肩より少し長い髪の毛を適当に触ると、先端が枝分かれになっていて、愛は小さくため息をついた。

暗めの茶色のセミロング、１５８センチ、中肉中背。
顔はとりたてて可愛いわけでもなく、仕事でも目立つようなことは何もない。
良く言って普通、悪く言えば目立たない。

それが、坂上愛だ。