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甘党な愛
第2章 ニ

……気付かなかった。毎日殆ど部屋から出てこないから、仕事をしているものとばかり思っていた。まさか、ニートなんて。

「藤咲さん、夜はアパートに帰るから知らないよね」

「知らないって何を……?」

「いや良い」

 私が不思議になって質問すると、後嶋は無表情で再び本を読み始める。

「言い掛けて途中で止めるな!」

「……知らない方が良いかと思って」

「気になるから言え!」

「じゃあ……」

 私が責め立てると、本を閉じて膝の上に置き、後嶋は話し出した。

「恵さん、夜は殆ど毎日女を家に連れ込んでる」

「……え?彼女?」

「違う。だって毎日違う女だし」

「それは……」

 かなり最悪な男だな!

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