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甘党な愛
第23章 二十三

「っ……」

 泣いていると気付かれないようにしないと。明るくしていないと!

「椿も、キスして……」

「うん!」

 八雲から甘えたように言われると、私はチュッと軽く唇へ口付ける。そして……また八雲の方から口付けられると、八雲の首に抱き付いた。

「ん、……っ」

 歯列を舌で抉じ開けられ、口内へ舌を差し込まれると、くちゅっと舌上を舐められる。

「ん……っ、ん……」

 暖かい舌で優しく口内を舐められる度、甘い鳥肌が立ち、

「む……んっ……」

 舌先を吸い上げられると、胸がきゅうっと締め付けられる。

「っ……ん……」

 やっぱり、好きだ!

「ん、はぁっ……」

 そのまま唾液の糸を引きながら唇を離され、ソファで四つん這いにさせられると、私は鼓動を高鳴らせた。

「やぐも……」

 やっぱり恥ずかしい。こんな格好……!お尻を八雲に見られるなんて!

「あ、んっ……」

 すぐにジーンズと下着を膝まで下ろされ、下半身から熱くぬるついた感触がし始めると、そっちの方に意識が向いてしまったが。……これってまた、八雲から舐められている……!

「あ、んっ、んっ……」

 自分の変な声にも慣れた気がする。ぴちゃぴちゃと響くいやらしい音も、気持ちよくて腰を突き上げてしまう行動も。膣孔から粒へ掛けて優しく舐め上げられると、腰を揺らしてしまう。

「ん、あっ、……っあ、あっ……!」

 喘ぎながら八雲の方を振り向きたいが、ぬるぬると粒を舌先で捏ねられ続けると、そんな余裕もなかった。

「あ……あっ……あぁっ……」

 ふとテーブルに置かれた本を見つけると、一瞬不思議になったが。

「ん、あっ……」

 これはさっき八雲が読んでいた本だ。何の本だろう……。そういえば八雲はいつもこれを読んでいた気がする。

「や、ぐも……この、本は何だ……?っ、あ……!」

 粒をぬちゅぬちゅと舌先で捏ねていた八雲が、急に強く粒へ吸い付くと、上体をソファへ崩す。しかし――

「……読んでみろよ。手にとって……」

「う、うん……」

 八雲の言葉に、本へ手を伸ばした。
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