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甘党な愛
第5章 五

――翌朝8時、屋敷の食堂で朝食を食べていると、私の右側に座っている恵が明るく話し掛けてきた。

「ちょっと二人共、昨日はビックリしたよ~」

 席は昨晩と一緒。どうやら、もうこの席で固定になっているらしい。

「……ごめん……」

 私が申し訳なく思いながら謝ると、恵は太陽のように笑った。

「深夜に二人がシュークリームをこっそり食べてるなんてさ~。本当に椿ちゃんは甘党だね」

「……」

 良かった。キスのことが気付かれなくて。……あの後、私の悲鳴に驚いて恵と後嶋がキッチンへ入ってきたおかげで、あれ以上八雲からキスされずに済んだのだが。

「八雲は酒飲んじゃダメって言ってるだろ!よく椿ちゃんにキスしなかったね?」

 八雲は二人にお酒を飲んだことがバレて怒られていた。その八雲はというと……

「こいつに俺がキスするわけねーだろ」

 昨晩のことを全く覚えていない。ただの阿保だ。
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