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甘党な愛
第7章 七
「……本当、綺麗ですね……私も久しぶりに見ました」
自然と手を繋いだまま、月を見上げていた。満月だ。満月を見ると狼男になるって、子供の頃は騒いでいたけど。色んなことがありながら、大人になったものだ。
「……今日は騙してごめん。男って言ったのも反省してる。椿ちゃんは、可愛い女の子だよ」
「ええ、ええ、可愛い満月ですね……」
「いや、月のことじゃなくて……」
隣の人物の話にぼんやりと返事を返すと、沈黙が訪れる。すると暫く経って、マスク越しに一瞬何かが触れたと思うと、驚いた様に話し掛けられた。
「椿ちゃん、マスクしてる……?」
……マスクしてるのが何だって言うんだろう。