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キミを愛シテ溺れてる
第4章 *キミを愛シテ溺れてる 2

思ってもいなかったチャンスに鼓動がドクンと大きく鳴った。

本人が過去を求めているんだから、今が教える時なんじゃないかと。


隣を歩いていて手が軽く当たると風子が笑みを浮かべた。

手は冷たいのにそれすら感じさせない笑顔を目にして、俺も微笑み返す。


「そうだね……、いるといいね。乙羽さんのドレス姿を見れるのが楽しみだな」

そして、せっかくの機会を潰すように話題を変えた。

「本当ですか。いつもより綺麗に見せれるように頑張りますね」


上手く話が逸れて、これ以上記憶に関して話すことはなかった。

他人事のように返事をしたから、過去を教えてくれる人を求めてると話してくれるチャンスはもうないに等しいだろう。

そう思いながらも、先程触れた風子の冷たい手をしっかりと握る。

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