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キミを愛シテ溺れてる
第6章 *キミを愛シテ溺れてる 4

風子を悲しませず、傷つけないで驚かす方法を一つだけ思いついた。

これなら健全にこなせて怒らないはず。

大地に協力して欲しいと頼み、飲み会を早めに切り上げて二人で話し合いをした。


その作戦を実行する日。
風子とばったり会うことが多かった駅前で待っていると、協力してもらう人物がやって来る。

その人は緩い巻き髪をしていて、コートの中に花柄のワンピースを着ている女の子。

薄ピンク色の口紅もしていて化粧もばっちり決まっている。

でも口を開くと……


「どう?僕、超可愛くない?クオリティ高いでしょー」

男の中では高音の方だけど、声変わりした低いトーン。

「うん。可愛い、可愛い」


大地は童顔だから女装をするにはぴったりだった。

頼んでみたら「お姉ちゃんの服借りて、化粧してくる。やってみたかったんだ」っと意外と乗り気になってくれたから助かった。


風子が駅前を通る時間に女装した大地と並んで歩く。

嫉妬させるために考えた他の女の影をちらつかせる作戦。

俺が女と関わっているところをあまり見たことがない風子は驚いた顔をして、何度かこちらに視線を向けて過ぎ去って行った。


「くくくっ、風子ちゃんがすごく気にしてる。あれ、絶対心配してるよ」

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