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園主の嫁取り(くすくす姫サイドストーリー)
第3章 長老会議

   *

長老会議の長卓に着いて、サクナは目を閉じて、最初に出席した時のことを思い出しておりました。




「サクナ。お前を今日、俺の跡継ぎだと紹介する。朝飯ちゃんと食っとけ」
「はい、マイスター。」
「……美味いか?」
「……分かりません。ですが、こちらのリンゴはあと二日くらい置いておいた方が美味しくなったと思います。」
サクナはパンを咀嚼しながら、果物籠の剥いていないリンゴを指差しました。

「このリンゴは食べ時が過ぎて柔らかくなって来ています。こちらは切ったら芯が茶色くなっています。こちらは空洞があります。こちらは甘すぎるだけで酸味がありません。こちらは渋味が」
「……分かった分かった。どのリンゴを食いたい?」
「どれでも。」
「……どのリンゴが食べ頃だ?」
「これです。」
「分かった。おい、クロウ、皿持って来い」

果物園主は懐からナイフを取り出し、ぱちんと開きました。
そして、籠盛りのリンゴを全部二つ割にして、半分はそのまま皿に乗せ、半分は最初のリンゴの六分割になるように切って、皮を剥きました。

「食え、サクナ。クロウ、お前も食え」
園主と家令はリンゴをそれぞれ一口ずつ食べ、サクナは全て食べました。
七切れのリンゴの姿と味は、サクナが指摘した通りでした。
「流石でございますね……」
「全く、可愛くねぇ餓鬼だ」


「ご馳走様でした。下がってよろしいでしょうか?」
「もう食わねぇのか」
「リンゴを頂きましたので。」
サクナは指示されたリンゴを完食したので、丸一個以上のリンゴを食べ終えたことになります。
この上食事を摂れと言うのは、確かに無理でありました。

「分かった。じゃあ、時間になったらクロウに迎えに行かせるから、部屋で待ってろ」
「はい、マイスター……………

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