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雪の日に祝福を・・・。
第10章  忍び寄る別れの魔の手
  


 私は、気が付いていたのに見て見ぬふりを続けていたの。そう終わりが近付いていたことに・・・。

 2人の決意と誓いさえ夢物語なのだと、知っていたのに・・・


 《 《


「月依さん。」


「千明社長、おはようございます。」


「おはよう。例の件だけれどね・・・息子と直接話すことにしたよ。」


「そう、ですか・・・」


 会社でバッタリと出くわした男は、相変わらず冷酷な氷の微笑みをしていた。しかし彼と交わした誓いが強くしてくれてたので受け流せる。


「君には、悪いが・・・あの子はこちらへ返してもらうよ。」


 そっと耳打ちをして通り過ぎて行く。


「(私たちは、別れませんよ。)」


 決意を言い訊かせるように男に心の中で言い返した。


「若狭・・・」


「なに?」


 オフィスに戻る前に声を掛けられてウンザリしながらも返事をした。


「瑠々が、入院した。」


  
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