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第5章 　失った世界の景色

　　


　キラキラと輝く場面を毎日見るようになってお酒さえも効力を失い飲んでも眠れなくなった。
　瞼を閉じると私が着るハズだったドレス姿で歩くハズの道を歩き祝福を受け笑っている妹が消えてくれない。

　報復が思わぬ副産物を生んでくれた。

　私の心は、どんどん蝕まれる。
　それなのに微睡《ﾏﾄﾞﾛ》むだけの一夜を過ごしいち早く出社し仕事をする。
　しかし前ほど捗《ﾊｶﾄﾞ》らない作業。残業をどんなにしても区切りが付かない仕事･･･同じ職場に居座る意地を張ったツケも来たようだ。
　それでも黙々と机に向かっていた私を誰も咎めることが出来なかったらしい。

　全く。弦くんの言った通りに〝狂っちゃた〟のかも知れない。今ならそう思う。

　そんな私の私生活など言うまでもなかった･･･


　《　《


　１週間彼は、席に居なかった。理由は、簡単だ。