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いつまでも思春期
第10章 裸を見ないで・下

僕が全裸になるのは簡単だった。

彼女のほうは、どこをどうされても、ひたすら感じるまでに登りつめていた。遠慮ない、あえぎ声。

それでも、最後の一枚を失うときは、抵抗があった。

彼女の手を押さえながら、抜き取る。
そうなると、お尻が自然に上がる──協力してくれる。
そんなにたくさんの女性を裸にしてきたわけではないが、今までのすべての女性が同じように協力してくれて、全裸というゴールには二人の同意のもとで到達してきたのだった。

ただし、今回は、ちょっとだけ違った。

早く脱がされたいのか、無意識に彼女が脚を折り曲げられたのだ。

そのとき。

太腿のラインが強調され、息をのむほどの衝撃を受けた。

見たい。もっと見たい。

完全なヌードを見たくて、ベッドサイドの明かりをつけた。

だが、その瞬間。

「明るくしないで! 暗くして!」
彼女の悲鳴に似た哀願を聞いた。

何を今さら──しかし、哀願は悲痛そのものだった。

あきらめるしかない。

再び闇に戻すと、彼女は安堵のため息をついた。

そこまで見られたくないとは。
こんな女性は初めてだった。

──全裸になってからの乱れようは凄かった。
全身の愛撫で、挿入前に登りつめたらしい。
挿入はむしろ、おまけだった。

ただ、無駄ではなかった。

ぐったりと横たわる彼女の脚を折り曲げ、理想的な形にして太腿を鑑賞できたのだから。

結局、彼女の裸を十分に見ることなく別れることになる。

かたくなに、見られることを拒み続けたのだ。

だから、あのときの太腿がいちばん記憶に残っている。

不思議だとは思う。
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