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第5章 大輔さんの浮気疑惑?
迷惑だって?
さすがにキレようとしたけど、我慢、我慢。
「迷惑かどうかは大輔さんが決めることです。あなたが決めることではないと思います」
「あんた、生意気!」
私の言葉に怒ったヒロさんは手を振り上げる。
叩かれる…!
目をつぶる私。

「やめろ、ヒロ」
え?
目を開けるとと大輔さんがヒロさんの手を掴んでいた。
「聖に何しようとしてるんだ?」
ヒロさんをジロっと睨む大輔さん。
「大輔さん…」
「聖が遅かったから心配で。電話もしたけど出なかったから」
「あ、本当だ」
スマホで着信確認。

「大輔、あの、これはね…」
ヒロさんが口を開く。
「聖に何かするヤツは例えお前でも許さない」
「ち、違うの。この子…ほら、大輔にご飯作り頼まれたけど料理苦手だって言うから一緒に…」
「作らなくて良い」
ヒロさんの言葉を遮る大輔さん。
「でも私、大輔のことが好きなの!」
大輔さんはヒロさんの手を離す。

「オレだってヒロが好きだ」
その言葉は私の心臓にグサッと突き刺さる。
やっぱりヒロさんのことが…。
「大輔」
ヒロさんは嬉しそうに大輔さんの名前を呼ぶ。

「でもな」
はぁ…っとため息の大輔さん。
「お前は男だろ」
「お…とこ?」
私は目が点になる。
状況が読み込めない。
男ってヒロさんが???

「何でこの子の前で言うのー!?」 
「聖、誤解を招いて悪かった」
ヒロさんを無視した大輔さんが私の方に来る。
「ヒロさんが男ってどういうこと?」

「ヒロは佐藤広幸って名前なんだ。オレの幼なじみ。姉が3人いて毎日、ままごとで遊んだり、女子に囲まれた生活してるうちにこうなって…」
「そうだったんだ」
大輔さんの説明に納得。

「最初このカッコでオレの前に現れた時は驚いた。それ以降、こうやってたまに姿現すんだ」
「私は大輔と一緒にいたいのに大輔は冷たいし…」
「当たり前だろ。男同士の趣味はない。行こう、聖」
「あ、うん…」
ヒロさんを残し私達はエレベーターに乗る。
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