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僕の彩芽
第10章 十

「住む相手によりますよ……って事です。うふふ」

 うふふ、なんて笑い方、普段したこともないくせに。ドレスマジックヤバい。この格好をすると、何故かしおらしくなるんだよなぁ……。

「彩芽ちゃんは、一緒に住んでる人の事が好きじゃないの?」

「えっ……それは……」

 龍生さんは焼酎の水割りを飲みながら、じっと私の顔を見る。……秋人さんの事が好きじゃないかと聞かれれば、それは……

「分かりません……好きでもないし、嫌いでもないし……」

 グラスへ氷を一粒、一粒入れながら、ぼんやりと答えた。まだ出会って4日だし、そんな好きか嫌いかなんて分からない。横暴な人だとは思うけど。それに悪魔だとも……

「彩芽ちゃん、実を言うとね、俺心理カウンセラーの勉強をしてるんだ」

「えっ?!そうなんですか?!」

「だから、彩芽ちゃんの言動を見ていると、結構ストレスを抱えてるよね……?誰にも言えない悩みがあるんじゃない?」

「何で分かるんですかぁー!」

 頭に何かが強くぶつかった様な衝撃を受け、思わず氷を床へ落としてしまった。

「もしかして、その一緒に住んでる人とトラブルがあるとか?」

「龍生さん……」

 凄い。凄いよ、この人。ほんわかしている割には、人の事凄く観察してるんだな……。


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