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僕の彩芽
第12章 十二

「何でですか!さくらさん、いたのに!さくらさんと入れば良いじゃないですか!」

「ポチは俺と入るのが嫌なのか?」

「そういうわけじゃないですけど……」

 嬉しいに決まってるじゃないか!さくらさんじゃなくて、私を選んでくれてすっごく嬉しいよぉぉぉ!ヤバい、にやける……。

「じゃあ良いだろ。来い」

「はい……」

 差し出された手。それを掴んで、私は秋人さんと一緒に離れの脱衣所に入った。

 嗚呼……ドキドキする。やっぱり私、秋人さんが好きかもしれない。

「脱がせてやる」

「ありがとうございます、秋人さん……」

 コートとニット、それにジーンズと下着を手際よく脱がされ、私は生まれたままの姿になると、恥ずかしくて少し俯いた。

 そしてそのまま秋人さんが服を脱ぎ始めると、その光景を黙って見つめる。

 逞しい体。男の人って感じの、日に焼けた肌。

 ……美しいですぅぅぅ!そう思わず声に出そうになるのを、唾を飲みながら我慢した。

「ポチ、来い」

「は、はい!」

 まさか秋人さんと、こんな豪華な露天風呂に入れるなんて……。夢の様だ。というか、夢なのかな……。

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