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僕の彩芽
第14章 十四

「彩芽、どういうことだ?」

 先に口を開いたのは秋人さんだった。心なしか、掴まれている肩が痛い……。

「い、インフルエンザが……」

「インフルエンザ……?インフルエンザがどうしたって?」

「お店の人達が、インフルエンザで、皆休んでて……」

「で?」

「働かないと、いけなくて……」

「他の男に酒をついでニコニコしたり、体を触らせたのか?」

「……はい……」

 こくんと頷く。そんな私を睨み付けて、秋人さんは冷たく言い放った。

「冷めたな。嘘つくような女はいらない」

 ……えっ。これって、フラれた……?もう……?私達、離婚……?

「ご、ごめんなさい……秋人さん。許してください……」

「だめだ」

「……そんな。……何でもしますから。……私、秋人さんじゃないとだめです。……秋人さんがいないと……」

 ショックで、気付けばポロポロと涙を溢していた。

「……嘘ついて、ごめんなさい……。もう、しません。……絶対。……好きです、秋人さん……。大好きですぅぅぅ……」

 情けない。泣いてすがるなんて。子供みたい。でも、もう私は秋人さんがいないと生きていけない。500万払って、開放されたとしても。私はもう秋人さんがいないと……。

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