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くすくす姫の誕生日(くすくす姫後日談・その4)
第2章 まだ「お誕生日」の来てない日
(わああああ!…何、これっ…!!)
姫は視線の先をうっとりと見詰めて、ほうっと小さく溜め息を吐きました。

誕生日が、いよいよ明後日となりました。
誕生日の為のドレスも仕上がって来て、試しに部屋で着てみたところ、バンシルからもよく似合っていると太鼓判を押されました。
姫はうきうきしながら婚約者の部屋に行き、扉を叩き…ましたが、返事はありませんでした。
(まさか、また具合が悪くっ…!!)
ここ数日のあれこれの様子から、それは無いとも思いますが、返事が無いのは気になります。

(もしかしたら、居ないのかしら)
どこかに行っていて部屋にはいないのかも、と試しにノブを回してみると、鍵はかかっていなかったようで、扉はすっと開きました。
サクナは戻ってきたとき自分では歩けなかったので、治るまでは玄関から近い、急拵えの部屋で寝ていました。熱が下がった日の夜からは広い客間に移っていたので、今居るこの部屋には、次の間があります。扉に鍵がかかっておらず、入った部屋には姿が無かったので、奥の部屋に居るのかな、と姫は奥へと歩いて行きました。
奥の部屋に続く扉は半開きになっていたので、そこからそっと中を覗いて、姫はそのまま固まりました。

(わああああ…!何、これ…!!)
覗いた先には、向こうを向いているサクナが居ました。
居ましたが、朝会ったときとは、違う服装をしていました。
首の回りに立ち上げた襟の詰まった丈長の上着に、ゆったりしたズボンを履いています。服の形はシンプルでしたが、使われている布地がいつもの服とは違っている様でした。
落ち着いた光沢のある紫がかった深い紺色の生地には、複雑な柄が付いているようで、遠目から見てもかなり豪奢な布地の様に見えます。織りで柄が入っているのかな、と、スグリ姫は思いました。

(こんな格好、見たことない…)
姫は視線の先をうっとりと見詰めて、ほうっと小さく溜め息を吐きました。
(…正装も格好良かったけど…これも、すっごく似合う…)

姫はどちらも素敵だと思いましたが、こちらの方が本人が寛いで見える、と思いました。
(でも、なんか…まさに「当主様」って感じ…)
もっと近くで見たいと思いましたが、こっそり入ってきたのが少しだけ後ろめたくて、姫はそうっと後ずさ…

「っきゃ!!」
…ったのですが、床に置いてあった物に足を取られて、思い切り転んでしまいました。
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