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第5章 急変

　季節は無情にも過ぎていく。
　日が高くなり、熱気を孕んだアスファルトは夜になって漸く落ち着きをみせる頃。男は帰路に就く。
　外灯が照らす道を歩みながら、スマートフォンに溜まる通知の中でまたしても女からのメールが目に付いた。
　電車を乗り換えて最寄り駅に着くまでの間、ダウンロードだけは行っておく。それまでは他に優先すべき人物から連絡を済ませ、暗い夜道に降り立った時に動画を再生する。
　空調の無い夜道は汗を誘い、男の背中を一筋の汗が撫でた。