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イかせ屋…
第7章 告白



「昌は?」


冷たい声で昊さんが私に聞いて来る。


「夕べはお仕事で帰りが遅かったみたいだから、まだ寝てます。」


一応、当たり障りのないように答えてみる。

昇君がゲラゲラと笑う。


「夕べの昌兄ぃは凄かったらしいよ。酔っ払って家の前で梓ーっ!って吠えまくったらしいから。」


一気に顔が赤くなる。

私の名前を吠えた!?

いやぁん!どうしよう…。

胸がいっぱいでご飯が食べられない。


「近所に恥晒しだな。飲めないくせに…。」


昊さんが嫌な顔をする。


「昌さんって飲めないのですか?」


なんかガバガバ飲めそうなイメージだけど…。


「ああ、飲めないよ。親父と昌兄ぃは甘酒で幸せになれる体質だから。」


また昇さんがゲラゲラと笑う。

甘酒で…。

可愛い!

今度、飲ませてみたくなる。

顔のニヤケが止まりません。


「遊んでばかりいないで、借金を返す事を真面目に考えて貰わないと困る。」


昊さんは相変わらず冷たい態度で私に言うとダイニングから出て行く。


「昊兄ぃの事はあんまり気にすんな。昔っから女嫌いな人でさ。俺は梓ちゃんって可愛いから昌兄ぃが羨ましいとか思うよ。」


そう言って明るい笑顔を見せる昇君がダイニングを出て行く。

梓ちゃん…。

大学生の年下の男にちゃん付けで呼ばれちゃった。

それだけ私って頼りない女に見えてるのだと理解する。

しっかりとしなくっちゃ…。

新しい自分になると決めたのだから、昌さんに甘えてばかりの女じゃいけないとか思っちゃう。

だから食事の後は洗い物を私が片付ける。

怖い顔の男の人が


「止めて下さい。自分達が親父に怒られます。」


と言うのも聞かずに


「このくらいはさせて下さい。」


と頭を下げてやらせて貰う。



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