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イかせ屋…
第7章 告白



「昌さん!?」


ヒロ君はすぐに私から離れて昌さんに言われた薬を取りに行く。

いつ起きたのかわからないけれど、昌さんはちゃんと着物を着てて夕べのだらしない雰囲気はもうなくなってる。

何故か緊張をしてしまう。


「放ったらかしになって、すまない。」


相変わらず私には優しく笑いかけてくれる。


「お仕事が忙しいみたいですから…。」


一応、しおらしい女を演じてみる。


「忙しいというか…、夕べはちょっとミスった。全く覚えてないし、お陰で頭痛がする。」


昌さんが顔を歪める。

なぬ!?覚えてない!?


「夕べの事…、覚えてないの?」

「まさか…、梓にも何か変なところ見せたか?」


少し焦った顔の昌さん…。

普段が落ち着いた厳つい顔の人だから、そういうのはちょっと可愛いとは思うけど…。

ヒロ君が来て昌さんに薬と水を渡す。


「ヒロ?俺、梓にもなんかやったのか?」

「知りませんよ。部屋に入られてからの事は自分らにはわかりません。」


昌さんが難しい顔をしてヒロ君は呆れた顔をする。

私は何故か怒りが湧いてくる。

覚えてない…。

夕べの事を覚えてない…!

つまり、昌さんにとってはその程度の事…。

私を好きだと何度も言った事はイかせ屋としての演技だという事…。


「お疲れのところ申し訳ございませんが、私には時間がないんです。」


冷たく昌さんに言ってしまう。


「わかってる。」


昌さんが眉間を指で押さえる。

二日酔いで時間を無駄に出来る状況じゃないでしょ?

そんな嫌味を言いたくなる。

昌さんは頭痛を抱え、私はイライラとしたまま夕食とお風呂を済ませる。



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