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SOS
第3章 無限と有限

木崎が悪魔と出会って、半年が過ぎた。

写真家として有名になった木崎は、メディアにも進出するようになり、今やテレビで引っ張りだこの芸能人と化していた。

ある夜、木崎がテレビ収録を終えて建物から出ると、沢山の出待ちの女子が木崎を取り囲んだ。

「みんな、いつもありがとう」

木崎が爽やかな笑顔を向けると、女子たちはきゃあきゃあと騒ぎ立てた。



「ふっ、随分とご満悦なようだな、木崎」

ファンサービスを終えて歩き出した木崎の横に、不意に悪魔が姿を現した。
普段は姿を見せない悪魔だが────木崎自身が悪魔を呼んだとき、そしてこういう気まぐれで時折やってくる。

「あぁ、全てが思い通りになる世界は最高だよ」

木崎は悪魔の力を借り、次々と願いを叶えていった。
華やかな容姿、男性としての魅力、世間での自分の人気────
そして来月には人気女優との結婚発表を控えている。
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